中国各地から集まった人々が行き交う北京の故宮(筆者撮影)

中国に良い印象を持つ日本人と良くない印象を持つ日本人では、どのような点が違うのか。中国に対する印象に影響を及ぼす要因は何か? 中国各地を旅して中国の魅力を伝える活動をしている著者が、独自に行った調査から明らかにする。(JBpress)

 日本と中国、お互いに相手の国に対してどういう印象を持っているか。前編では、調査結果の経年の変化を紹介した。この10年、中国に対してネガティブな印象を持つ日本人の割合が高止まりしているのに対し、2013年ごろから日本に対して良い印象を持つ中国人が増えている。

前編
改善する中国の対日認識と低迷する日本の対中認識
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/64411

 日本に良い印象を持つ中国人が増えている要因として、訪日経験のある人が増えていることが考えられる。

 では、日本人の対中認識が悪いままである要因は何か。それを示すような調査結果などが見当たらなかったので、私は独自に調査を行った。

 調査は、回答選択式のオンライン・アンケートとして2020年3月に実施し、116人の回答を得た。対象の年代は20~29歳に絞り、性別は男性64人、女性51人、無回答1人という構成だった。すると、中国に対して良い印象を持つか、良くない印象を持つかに影響を及ぼすと考えられる要因が見えてきた。

 それは「中国との接し方」である。中国に良い印象を持つ人と、良くない印象を持つ人では、訪中経験の有無、中国人の知り合いがいるか、中国語の学習経験があるか、中国について知る情報源の種類などに明らかな違いが見られた。

意外と良い日本の若者の対中認識

 私の調査によると、20代の日本人の対中認識は、中国に対して良い印象を持っている人が48.2%で、良くない印象を持っている人が51.7%という結果だった(図1)。

図1:20代の日本人の対中認識 (出所)著者の調査より作成

【本記事は多数の図版を掲載しています。配信先で図版が表示されていない場合は、JBpressのサイト(https://JBpress.ismedia.jp/articles/-/64412)でご覧ください。】

 前編では「日本人の約9割が中国に良くない印象を持っている」という調査などを紹介したが、この結果はそれとはだいぶ違う。それは若者の対中認識が他の世代よりも良い傾向にあるためだ。前編でも紹介した内閣府の「外交に関する世論調査」では、18~29歳の若い世代が、他のどの世代よりも良い対中認識を持っていることがわかる(図2)。

図2:中国に対する親近感 (出所)内閣府「外交に関する世論調査」(2020年10月調査)
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