ビクトリアピークから見た香港の街並み

 香港から日本に金融人材を獲得しようという提言や動きがあるが、香港人材の現状を的確に理解していれば、簡単なことではないことがわかるはずだ。香港人材の側が日本への就職/転職をどう捉えているか、日本企業はどのような人材採用に注力すべきかを、香港在住の加藤勇樹氏が解説する。(JBpress)

(加藤勇樹:香港企業Find Asia 企業コンサルタント)

 昨今の香港の情勢の変化から、国際金融センターとしての香港の地位が揺らいでいます。シンクタンクZ/Yenが発表した2020年3月の「世界金融センター指数」では、香港が6位に落ち、東京が3位に浮上しました。

2020年3月の「世界金融センター指数」(https://www.statista.com/statistics/270228/top-financial-centers-on-the-global-financial-centres-index/

 このような状況から、香港の優秀な金融人材を日本に呼ぶべきではという議論がなされています。自民党は、香港を念頭に置き、金融分野での高度外国人人材を獲得するための提言を年内にまとめるようです(ロイター、https://jp.reuters.com/article/ldp-fin-idJPKBN23O0F3)。

 ところが、一方で香港人材の側が日本への就職や転職をどう考えているか、生の声が捉えられていないようです。香港で国際人材を育てる香港大学のキャリアセンター担当者と、日本と香港の間での人材育成で活躍する専門家へのインタビューを交え、日本企業における香港人材への対応方法を解説します。