延期された東京2020五輪の開催まで100日となったことを記念してレインボーブリッジと東京タワーに施されたイルミネーション(2021年4月14日、写真:ロイター/アフロ)

(筆坂 秀世:元参議院議員、政治評論家)

 変異株の感染が恐ろしいまでに拡大している。まん延防止どころか、すでに大きくまん延している。菅義偉首相は、バイデン大統領との会談に向う前、まだ「大きなうねりになっていない」と語ったが、どこを見ているのかと言いたい。

 大阪でも、東京でも、まん延が始まってから防止措置を決めている。本来はまん延する前にやるから防止措置になるのである。大阪府をはじめ、兵庫県、和歌山県、奈良県などの近畿圏は、新規感染者数が過去最多となる日が頻出している。それでも菅首相は、様子を見るというのだ。

 緊急事態宣言の解除を真っ先に求めたのが大阪府の吉村洋文知事だった。だが結局、まん延防止等重点措置の適用を求め、それでも新規感染者が急増しているため、三度緊急事態宣言を求めるまでになっている。大阪の聖火リレーは、公道を使わず万博記念公園でやることになった。だが、ここまでして聖火リレーをしなければならないのか。私には、到底理解できない。

 東京都も18日連続で前週の同じ曜日を上回ったように、確実に感染者が増え、イギリス型の変異株がすでに半数を超えた。緊急事態宣言の解除が大阪より遅れた東京で大阪のような爆発的な感染拡大が起こる可能性は高い。小池百合子東京都知事も報道陣に対して、「緊急事態宣言の要請を視野に、スピード感を持って検討するよう指示した」と語っている。

第41回東京都新型コロナウイルス感染症モニタリング会議後、変異株(N501Y)の脅威について説明する小池百合子都知事(2021年4月15日、写真:Pasya/アフロ)