人口減少が続く第2の都市釜山の苦境

 ソウルの陰に隠れてしまいがちな釜山ではあるが、こちらでも選挙戦は野党候補の朴亨ジュン(パク・ヒョンジュン)氏が与党候補の金栄春(キム・ヨンチュン)氏を序盤からリードし優位に選挙戦を進めてきた。

 釜山市は韓国第2の都市でありながら、ソウルの一極集中化が加速したことで人口の減少が止まらず、高齢化のスピードが韓国国内でも急速に進んでいるとされる。進学や就職による若者のソウルへの流出が止まらず、3月の新年度を前に地方大学の中でも釜山の大学の定員割れが深刻化していることも報じられた。

 今回の市長選挙では、与野党を含めた各候補共に釜山の再生や福祉、教育といった点を公約に掲げていたのが特徴的であった。

 そして、4月7日の投票日当日、2020年4月の総選挙時と比べて投票率の出だしがやや緩やかであることが伝えられた。韓国の選挙は通常平日の水曜日に実施され、大統領選挙や国会議員選挙の場合は公休日となる。しかし、今回は限られた都市のみでの選挙ということから通常と同じ扱いで行われたこと、事前投票の得票率が高かったことなどが緩やかな出だしにつながっていたものと見られる。

 だが、ソウル、釜山共に正午を回った頃から投票率が急速に伸び始め、夕方6時の投票率は50.6%(ソウル51.9%、釜山46.9%)、投票が締め切られ午後8時の最終的な投票率は55.8%(ソウル57.0%、釜山52.3%)まで上がった。特に、夕方は仕事帰りの有権者が駆け込みで訪れる姿が見られ、投票所には待機の列ができていた。事前投票の高投票率と合わせても、ソウル、釜山の両市民がいかに今回の選挙戦に関心を持っていたかがうかがえる。

終始選挙戦を有利に進めた呉世勲氏(写真:Penta Press/アフロ)

 投票終了後の午後8時15分に発表された出口調査の結果ではソウルでは野党・呉氏が59%、与党・朴氏が38%、釜山は野党の朴氏が64%、与党の金氏が33%といずれも与党候補を大きく引き離し「圧勝」と呼ぶにふさわしい状況であった。そして、午後11時の時点で釜山市長は野党の朴亨ジュン氏が当確、ソウル市長も呉氏が順調に得票を伸ばし、当確を確実にした。