またアウン・サン・スー・チー政権下で停戦協定を目指して交渉を進めていた「KNU」や「シャン州復興協議会(RCSS)」など10の少数民族武装勢力もこれまでに軍との間の和平交渉を打ち切ることで合意した。その上で「平和的デモで反軍運動を続けるあらゆる人々と固く連帯する」として市民支持、軍制反対の姿勢を明確にしている。

 このように和平交渉を進めていた少数民族武装組織に加えて和平交渉に不参加だった「KIA」や「ワ州連合軍(UWSA)」なども軍との対決姿勢を明確にしている模様で、少数民族武装勢力が合従して軍・警察との衝突が各地で勃発し始めており、本格的な内戦となりそうな気配が濃厚なのだ。

 軍による空爆や戦闘の巻添えを避けるため、少数民族を中心とする一般市民は山間部や隣国タイへ避難せざるを得なくなっている。

 報道によれば、これまでに国境を越えたタイに逃れた市民は約1万2000人に上っているという。当初はミャンマー国内に送還しようとしていたタイ政府、タイ国境警備当局、タイ軍も、人道的見地から現在ではミャンマーから難を逃れてきた市民の保護に乗り出している。

放火や爆発事件、著名人拘束といった不穏な動き

 このように本格的内戦の懸念が高まる中、都市部では「不穏な動き」が目につくようになっている。

 4月6日、ヤンゴン・ミャウン郡行政事務所が火災に見舞われた。放火の疑いがもたれているが容疑者は不明という。同様に、放火が原因とみられる行政事務所の火災が各地で頻発している。

 実はこうした行政事務所など公の機関では「不服従運動(CDM)」に同調する職員により業務が停滞しているところも少なくない。そのため、そういう機関を狙った軍関係者による「見せしめ」の放火との見方が出ているという。

 また4月6日にはヤンゴンの南オッカラーバのバスターミナルでバスが爆発する事件も発生した。爆発物によるものだったが、現時点で事件の背景は不明だ。現地では「軍関連バス会社のバスを狙った反軍政の市民による抵抗運動の一環」という見方と、「治安攪乱を目的とした軍によるヤラセ」という見方に二分されているという。

 ただ非武装無抵抗戦術を続けている市民の側が、爆発物を使った抵抗を試みる可能性は低い。そのため、「軍による謀略」との見方が強まっているようだ。