慰安婦問題を巡っての歴史的解決を振り出しに戻した韓国・文在寅大統領の存在に米国は頭を痛めている

両長官の韓国立ち寄りで胸なでおろす

 米国のトニー・ブリンケン国務長官とロイド・オースティン国防長官が3月15日から来日する。その足で韓国に立ち寄る。

 外務、国防閣僚同士が会合する「2プラス2」(安保協議会委員会)*1を東京とソウルで開く。日米は2年ぶり、米韓はなんと5年ぶり。文在寅大統領になって以後、一回も開かれていない。

*1=米国は北大西洋条約機構(NATO)などを入れると、約40か国以上の国と軍事同盟を結んでいる。2プラス2を実施しているのは日英韓豪印など限られている。

 ドナルド・トランプ前大統領は米国と中国とを天秤にかけてきた文在寅大統領が嫌いだったし、対韓で関心があったのはカネ、カネ、カネ。在韓米軍の韓国負担駐留経費増だけだった。

「2プラス2」どころではなかった。

「北朝鮮の金正恩総書記は気に入ったようだが、文在寅大統領は生理的に嫌いだった」(ホワイトハウス詰め記者)。

 米国の国務、国防両長官が訪日して韓国には寄らずワシントンに戻ったらどうなっていたか。韓国は発狂していたかもしれない。

 韓国は内心ほっとしている。

「米国務、国防両長官の来韓で、鄭義溶外交部、徐薫国防両長官との2プラス2が実現する。『日本と格を合わた形』の韓国訪問が実現する方向だ」

 もっとも、文在寅氏はバイデン政権が日韓関係の改善に腐心していることを察知するや心証を良くしたいと必死だった。

 3月1日の「三・一節記念日」(独立運動記念日)には、「いつでも日本政府と向き合って対話したい」と言い出した。

 具体策はないとみた日本政府は完全無視の姿勢だ。