(花園 祐:上海在住ジャーナリスト)
筆者は以前のコラム「悪者じゃなかったの?歴史的評価が大逆転した2人」で、かつては否定的な歴史評価がなされていたものの近年になって肯定的評価へ逆転した人物として、石田三成と田沼意次を紹介しました。
日本史においては、この2人のように評価がマイナスからプラスへと転じる人物もいれば、逆にプラスからマイナスへと転じる人物も珍しくはありません。さらには、名将か愚将か、その判定が長年にわたり延々と議論され続ける、評価の定まらない人物もみられます。
そこで今回は、歴史評価が今なお定まらない、ある意味、評価の難しい歴史人物を何人か紹介しようと思います。
大作家を交える大きな議論に
名将なのか? 愚将なのか? 評価が大きくわかれ、いまだに議論され続ける人物の筆頭に上がるのは、「乃木大将」こと明治の軍人である乃木希典(1849~1912年)でしょう。