また多額の取引やオプションなど売りと買いの価格差が大きい取引は、リベートも大きくなるので、ロビンフッドはユーザーをリスクの高い取引に誘導しているとも批判されている。昨年6月には20歳の米国人大学生が73万ドルの損失を出して自殺し、遺書でロビンフッドを名指しし、「収入のない20歳の人間に、どうして100万ドルのレバレッジ(信用取引)を供与できるのか」と書いた。

 さらにロビンフッドは1月28日に、同社の取引を扱う清算機関から、マージン・コールがかかり、それまでの保証金の10倍に相当する30億ドルの積み増しを求められたが、これに応じることができず、8日間にわたってゲームストップなど複数の銘柄の取り扱いを停止した。この間、ゲームストップ株が暴落したため、取引ができなかった投資家は損失をこうむり、損害賠償訴訟を提起した。

 先週行われた米下院の公聴会では、出席した議員から取引停止で投資家に損害を与えたと厳しく批判され、ロビンフッドのウラジミール・テネフCEOは陳謝した。

2月18日、公聴会で謝罪したロビンフッドのCEOウラジミール・テネフ氏(提供:House Financial Services Committee/AP/アフロ)

SNSによる買い推奨行為をSECが調査中

 ロビンフッドのビジネスモデルおよび取引制限と並び、今回問題視されているのが、SNSの掲示板における買いをあおる行為である。中でも最も影響力のある投資家とされ、「ロアリング・キティ(吼える子猫)」のハンドル名で、ゲームストップ株を買い推奨していたキース・ギル氏は、損を出した別の複数の投資家から損害賠償請求訴訟を起こされた上、SECもこの問題を調査している。

 ギル氏は証券業の免許を持ち、証券会社や生命保険会社勤務の経験があるセミプロで、ゲームストップ株への投資でミリオネア(億万長者)になったことを認めている。下院公聴会での証言では、「自分の利益のためにゲームストップ株への投資を呼びかけたりはしていない。株価を吊り上げようとする集団にも属していない」と潔白を訴えた。

 もしギル氏が儲けることを目的に、掲示板で情報の流布を行なっていたと認定されれば、刑事罰を受ける可能性がある。日本でも、情報の流布による相場操縦は、金融商品取引法159条2項2号によって禁止されており、米国でも同様だ。今のところ訴追の可能性は低いという見方もあるが、いずれにせよ、SECによる今後の調査次第である。