オーストラリアでテレビ放送や新聞などを手掛けるメディア大手のセブン・ウエスト・メディアは、グーグルが報道機関に記事の対価を支払って提供するニュース新サービス「グーグル・ニュース・ショーケース」に参加する。
豪大手メディアも参加
セブンが2月15日、グーグルとの長期契約で合意したと明らかにした。ロイターによると、オーストラリアではこれまで、オンラインの専門ニュースサイトや地方紙がグーグルと合意していたが、豪メディア大手ではセブンが初めてだという。
ニューズやナイン・エンターテインメントといった他のメディア大手はグーグルとの合意がまとまらず、週内にも豪議会で可決する見通しの法案を支持している。
グーグルの「ただ乗り」に不満噴出
グーグルなどのIT大手のサービスを巡っては、メディア企業が費用を投じて作ったコンテンツを、対価を払わず検索結果やニュース配信サイトに表示しているとして批判の声が上がっている。IT大手がネットサービスで巨額の広告収入を上げる一方、メディア企業の多くは広告収入の減少に直面していると指摘されている。
グーグルはこうした批判をかわすため、2020年10月にドイツやブラジルでニュース・ショーケースを開始した。これは、既存のニュースアプリの中に報道機関ごとの「パネル」を設け、各社がそれぞれが選んだ記事を掲載できるようにするというもの。将来はGoogleアプリの「Discover」や検索サービスでも提供する予定。報道機関に記事の使用料として3年間で10億ドル(約1100億円)を支払うとの方針を示している。
グーグルは21年2月5日にオーストラリアでもニュース・ショーケースを始めた。同10日には英国とアルゼンチンで始めると発表。日本でもサービス開始の方針を示しており、先ごろ日本の複数の報道機関とも提携することで合意したことを明らかにした。