*写真はイメージ

(岡村進:人財育成コンサルタント・人財アジア代表取締役)

 コロナの緊急事態宣言下、日々思うことがある。なぜここまで対策が後手に回るのか。

 日本の病床数は世界一だが、医療はひっ迫している。ファクターXの存在が指摘されるアジアでも、死者数は中国、台湾、韓国よりも日本は多くなっている。

 そもそも、少子高齢化や人口減少問題も、待機児童問題もずっと前から分かっていたのに、対応は後回しにされた・・・。

 こんな話をしていたら、とある日本企業の役員に「日本の見方が暗すぎるよ~」とたしなめられたことがある。曰く「もっと明るい話をして社員を励まさなきゃ!」と。

 果たしてそうなのか。

アメリカの凋落、日本の沈没

 トランプ大統領が史上初の二度目の弾劾裁判は無罪と評決された。しかし、米国の国会議事堂襲撃を見て、我々は何に思いをいたすべきなのか。いま、色々な方に尋ねるようにしている。

 たいていの場合、アメリカの終わりの始まりであるとか、中国が力を持ってくるだろうとか・・・そんな答えが返ってくる。どこか他人事のように聞こえるのは私だけではないだろう。私の答えは「貧すれば鈍す」である。このままいけばアメリカの凋落を受けて、日本は10年後にはさらに没落していくだろう。

 昨年、世界的相場師のジム・ロジャーズの著書『お金の流れで読む 日本と世界の未来』(PHP新書)を読んだ。2050年の日本は貧しく犯罪大国になっているだろうとジムは指摘する。否定のしようのない内容で、普段、自分が危惧してきたことだが、海外からこう言われると正直カチンとくるから不思議だ。