所属大学院と修士論文のタイトルからわかるように、ソル氏は歴史家ではなく、教育者である。だが、いくら歴史の専門家ではないといっても、テレビに出て歴史を語る以上は、歴史上の出来事を正確に話さなければならない。

 ところが、彼がこれまで番組内で語った内容について、「事実と異なる」という意見が昨年12月より急増している。

 例えば、前回の記事でも言及した「ソル・ミンソクの世界史まる裸」の第3回(12月26日放送)で、ソル氏は昭和天皇の人間宣言について、昭和天皇が自分のことを「神の後継である」と宣言した、と説明した。この事実歪曲については、オーマイニュースが12月27日付で指摘している。

 あるいは、岸信介元首相を何度も「戦犯」と呼び、安倍前首相や、安倍政権を継承すると宣言した菅首相もその一派だと言い放つ。岸元首相は戦犯としての疑いをかけられたが結局は無罪となったので、「戦犯」と断じるのは歴史の歪曲である。

 だが、こうした見方は韓国で今に始まったことではない。そのせいか、この部分について指摘する韓国メディアは1つも見当たらない。

 ソル氏がこの放送で言いたかったのは、そうした天皇や政治体制のもと、戦後の日本が戦前の体制のまま存続したということだ。戦前の日本をナチス・ドイツと同一視する歴史観も登場した。

 それともう1つ。高校世界史の基礎中の基礎についてもソル氏は捻じ曲げる。その前の週に放送された同番組の第2回では、エジプトのアレクサンドリアにアレクサンドリア図書館を建てたのはアレキサンダー大王だという、耳を疑いたくなる説明をしているのだ。

 細かいところを探せば、もっともっと出てくるらしいのだが、これだけ並べれば十分だろう。揚げ足取りは個人的には好きではないし、勝手に吹聴させておけばいい。