2.北は韓国軍内の分断も狙う

 北が朝鮮半島有事に、中長距離ミサイルを米国の特にハワイ、グアム、アラスカに打ち込むと言えば、米国は軍事的介入を躊躇するかもしれない。

 また、中距離弾道ミサイルを日本列島に向けて撃ち込むと言えば、日本の国民や野党議員は、米軍の介入をやめさせる方向に動く。

 特に、「米空軍戦闘機の日本からの発進をやめさせろ」「米軍の作戦に必要な軍事物資を輸送支援もやめろ」と声高に叫ぶ者が出て来るだろう。

 日韓関係が最悪であれば、その声はさらに高まる。韓国から避難してくる韓国民の受け入れはするなということにもなる。

 日本としても、受け入れる準備などは全くできていないのが実情でもある。

 北が陸上の軍事境界線を越えて南侵してきただけでは、北軍と韓国軍の接触線は、一線だけである。したがって、韓国軍と在韓米軍とが分断されることなく、一体となって戦える。

 一方、短距離弾道ミサイルや超大型多連装ロケットは、韓国の全土を射程に収めることができる。

 このため、北軍が、不意急襲的にミサイル・ロケット攻撃を実施し、これらと連携して特殊部隊が地域ごとに攻撃を開始すれば、韓国軍と在韓米軍、前方に配置された軍と後方に配置された軍、第1線部隊と兵站を担当する部隊が分断されることになる。

 また、地上軍が海軍基地や空軍基地を守れないことになる。

 このような分断が起きると、小さな軍の単位で孤立することになり、北軍の攻撃で各個に撃破されることになる。

 戦いは、同盟国との共同、陸海空軍の協同など各軍が連携して戦力を集中させ、敵に優る戦力を持って、敵を叩き潰すことが求められる。だが、韓国は今、同盟関係を北軍の思惑通りに分断させ、弱小化していることが伺える。

 中露機は昨年の12月に合同飛行を行い、中国軍機は北と南に分かれて行動した。北側の飛行は、朝鮮半島と日本の間を分離するような航跡であった。

 この動きは、北と合意の上行われていると考えられる。

 半島有事に行われれば、日米が韓国に協力する動きを妨害することになる。また、韓国や米軍の動きを捉えて、情報提供することもできる。

 北は、あらゆる軍事的手段を使って、韓国を分離孤立させているのだ。