北朝鮮労働党第8回大会で、軍事に関しての報告書では、「核武力建設(核兵器開発)が完成し、国家の核戦争抑止力を備え、自衛的国防力が強化された」と強調した。
特に、超大型の水爆と戦術核兵器、各種弾道ミサイル・ロケット、衛星を含む偵察用兵器、世界水準の戦車などの開発に成功したとのことである。
報告の内容を実際に見せつけたのが、2020年10月と2021年1月の軍事パレードだ。
報告書が軍事戦略を含めた国家戦略であり、パレードに登場したすべての兵器が軍事戦略を達成するための軍事力だ。
したがって、この報告書と2つのパレードをセットとして見ることが必要だ。
しかしながら、北がこれまで発表した報告には、誇大宣伝、嘘、事実などが混在している。
今回の北の報告内容と2つのパレードに登場した兵器を照合して、これまで長期にわたり分析してきたことを踏まえて、嘘などを見分けながら、北の軍事力についての特色を考察する。
そして、その特色を踏まえて、北の新軍事戦略を明らかにする。
1.北朝鮮が誇大宣伝や嘘を発表する実態
北のこれまでの報告発表内容には、誇大宣伝や嘘が多かった。発表された武器は、形だけ製造したもの(張りぼて)で、まだ完成していない兵器を実験が成功し、運用できる兵器であると見せかけてきたのだ。
ところが、近年では、パレードに出し、実験も成功させてきた。かなり事実に近づいたといえる。
しかし、今回の発表を詳細に見ると、誇大宣伝もまだまだある。
韓国のあるメディアでは、北の発表を鵜呑みにし、情報源が不確かな情報でもそのまま脅威として、さらに煽って掲載することがある。
このような情報源が信頼できない情報をそのまま受け入れてしまうと、北の謀略戦略に容易に騙されることがあるので、注意すべきだ。