フェイスブックとインスタグラムのロゴ(写真:ZUMA Press/アフロ)

 米連邦取引委員会(FTC)は12月9日、反トラスト法(独占禁止法)違反の疑いで米フェイスブック(FB)を提訴したと明らかにした

「インスタグラム」「ワッツアップ」の売却要求

 フェイスブックは2012年に写真共有アプリ「インスタグラム」を約10億ドル(約1050億ドル)で、2014年に対話アプリ「ワッツアップ」を約190億ドル(約1兆9800億円)で買収し、傘下に収めたが、いずれの取引も2社の潜在的な脅威を認識したうえで、自社の市場独占への脅威を排除する目的で行ったと指摘している。

 そのうえで、インスタグラムとワッツアップの売却を命じるよう首都ワシントンの連邦地裁に求めた。

48州・地域の司法長官もFB提訴

 また、米ニューヨーク州など米国の48州・地域の司法長官も同日、フェイスブックを提訴した。州当局の訴えも連邦政府と同様で、インスタグラムとワッツアップの買収を問題視している。

 米ニューヨーク州のレティシア・ジェームズ司法長官は声明で、「当時、写真共有アプリの開発を試みていたフェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)がインスタグラムに大きく遅れを取っていることに気づき、脅威の無効化を図る目的で買収した」と批判した。

 ワッツアップについても、自社への脅威を警戒していたと指摘。「当時ソーシャルネットワークサービスへの参入に興味を示していた米グーグルにワッツアップが買収されることを恐れ、法外な金額で手に入れた」と主張している。ジェームズ司法長官は「フェイスブックは、ほぼ10年にわたり、利用者を犠牲にして、小さな競合をつぶしてきた」とも述べている。

フェイスブック反発、争う姿勢

 フェイスブックも同日声明を出し、「いずれの買収も当局の承認を経て行った」などと反論した。