ロイター通信によると、米議会下院反トラスト小委員会のデビッド・シシリーニ委員長は10月7日、米フェイスブック(FB)が2012年に傘下に収めた写真共有アプリ「インスタグラム」について、合併を解消すべきとの見解を示したという。
「買収は承認されるべきでなかった」
フェイスブックは2012年4月にインスタグラムの買収を発表したが、これを同年、米連邦取引委員会(FTC)が承認した。しかし、シシリーニ委員長はロイターとのインタビューで、「フェイスブックによるインスタグラムの買収は承認されるべきでなかった」とし、「私は(合併を)解消させることに違和感はない。それがこの問題の適切な解答だろう」と述べたという。
同小委員会は前日、米国の巨大IT(情報技術)企業を対象にした反トラスト法(独占禁止法)調査の報告書を公表した。
GAFAと呼ばれる、米グーグルや米アマゾン・ドット・コム、米フェイスブック、米アップルの4社が、それぞれの市場で独占的な力を享受していると結論づけ、反トラスト法の改正や法執行の強化が必要だと指摘。事業の分離・分割や小企業買収時の規制強化などを提言した。
フェイスブックについては、将来の自社に対する脅威を阻止する目的で、潜在的な競合を買収した疑いがあると指摘した。
報告書によると、当時のインスタグラムはまだ規模が小さかった。その成長性を見いだしていたフェイスブックのマーク・ザッカーバーグCEO(最高経営責任者)は、「インスタグラムは我々と対等の力を持つネットワークを構築中だ。将来我々に破壊的な影響を与える可能性がある」とし、買収を進めたとされる。
報告書では、こうした自社の脅威となりうる企業をいち早く見つけて傘下に収めた行為が競争阻害に当たると問題視している。