日本も他人事ではなく、19日には、全国で2300人以上が感染し、過去最多となった。開催都市の東京は534人、いくつかの競技開催を引き受けた都市の存在する地域を見ると、北海道が267人、千葉県が106人、神奈川県が205人、埼玉県が108人などとなっている。また、関西でも大阪府が338人、兵庫県が132人、奈良県が32人、京都府が14人などと増えている。

 まさに、日本が第三波に襲われ、厳しい状況のときにバッハ会長は来日したのである。多くの国民が来年の開催に不安感を持ったことは否めない。

果たして来夏までにワクチンは世界中に行きわたるのか

 第二は、新型コロナウイルスのワクチン開発である。このところ、朗報が続いている。アメリカのファイザーが11月10日、ドイツのビオンテック社と共同で開発しているワクチンについて、90%を超える有効性が確認されたと発表し、18日には最終結果として95%有効と公表した。そして、FDAに対して、緊急使用許可を申請する準備を進めているという。

 また、16日には、アメリカのモデルナが、自社開発のワクチンが94.5%の有効性があると公表した。ファイザーのワクチンは、長期保存(最大半年間)にはマイナス60〜80℃の冷凍が必要だが、モデルナのワクチンは、マイナス20℃で保存が可能だという。2℃〜8℃で前者は5日間、後者は30日間は有効だという。

 供給量については、ファイザーが年内に5000万回分、来年には最大13億回分、モデルナが年内に2000万回分、来年には5億〜10億回分が可能だという。

 日本政府は、ファイザーに対しては6000万人分、モデルナに対しては2000万人分の供給を受ける契約を既に結んでいる。

 以上は明るい材料であるが、両社とも、まだ中間発表の段階であり、最終的に効果と安全性が確立できるのかはまだ不明である。さらに、接種したワクチンの有効期限も問題である。インフルエンザの場合、5カ月程度であるが、新型コロナウイルスの場合はどれくらいの期間有効なのか。

 供給量については、従来のインフルエンザなどのワクチン開発と異なり、今回はメッセンジャ−RNAを使う新しい手法で行っているので、短期に大量生産が可能だ。

 しかし、次の問題は、多くの人に接種が迅速に行われるかどうかである。世界人口は77億人である。接種には医師などの資格を有する専門家が必要であり、その確保ができなければ、ワクチンは開発されても接種が進まないことになる。

 アメリカのファウチ博士は、12月後半にはアメリカ人に接種が開始できるという見通しを述べているが、来年の夏までに五大陸の隅々にまでワクチンが送り届けられ、接種が済むという保証はまだない。