「ハンギョレ新聞」によれば、文在寅大統領の東京オリンピックを活用しようとの意図には、「来年9月の選挙を控えた菅首相にとっては東京五輪の開催が切実であるため、これを媒介に韓中日首脳会議の開催など、接点を模索しようという意図がある。来年発足するバイデン米政権が韓日米3カ国の協力を重視することが予想されることから、日本との関係回復を図り、地ならしをしているという分析もある」と解説している。
与党「共に民主党」まで東京オリンピックへの協力に言及
こうした視点から、最近韓国政府や与党の間から、東京オリンピックが「平和オリンピックになるよう積極的に支援する」といった発言が続出している。
東京オリンピックを利用し、「バイデン・金正恩会談の実現」と「日韓関係改善」の一石二鳥の成果獲得に乗り出したのが、与党代表の李洛淵(イ・ナギョン)氏である。
同氏は13日、オンラインで開催された日韓フォーラムにおいて講演し、「日本側は懸案が解決しなければ韓日首脳会談ができないと言っている」が、「会談をして懸案が解決できるようにすること、懸案の解決を促すことが指導者の役割ではないか」と主張した。要するに、「韓国政府が徴用工に関連した日本企業の資産現金化を行わないと約束しないと、菅総理と文在寅大統領との首脳会談は行わない」としている日本側の態度を暗に批判したのだ。
さらに李氏は、この日予定になかった記者懇談まで行い持論を展開した。
「来年予定される東京オリンピックが成功するには北朝鮮が協力しなければならず、特に文在寅大統領の協力が必要だ」
「韓日間の争点、韓日首脳会談、さらに年内に予定されている韓日中首脳会談もそのような視点で見るのがよい」
などと述べたのだという。