さらに朝鮮日報は「萬物相」というコラムの中で「今、文在寅大統領は東京五輪のことで頭がいっぱいだという。金正恩(キム・ジョンウン)朝鮮労働党委員長と米大統領選で当選を確実にしたバイデン氏を東京に呼び、南北米日首脳会談というイベントを繰り広げようということだ。『平昌冬季五輪』のような夢だ。これを実現させるには日本との関係が良くなければならない。今後、徴用問題・慰安婦問題などで何らかの譲歩をするかもしれない。バイデン氏がこのイベントに応じるかどうかは未知数だが、新型コロナも問題だ」と論じている。
東京オリンピックへの対応、180度変えた文在寅政権
朴国家情報院長に引き続き、12日には金振杓(キム・ジンピョ)韓日議連会長一行も訪日し、報道陣に対して「東京オリンピックの開催が成功し、またこれを契機に、両国の交流が一層活発になれば、政治的決断を下すのに役立つだろう」と述べた。これを受け、日本側の議員連盟との合同幹事会では「東京オリンピック・パラリンピック支援のための交流・協力特別委員会を設置する」ことで合意したという。
これまで「共に民主党」は、東京オリンピックに対し否定的な発言を繰り返してきた。東京オリンピックの競技場が放射能影響圏にあるという地図を公開し、「東京オリンピックボイコットを協議する」と言ったことがある。議員らは「放射能オリンピック反対」というポスターを相次いでソーシャルメディアに掲載したりもした。「日本が歴史問題で謝罪しなければ、全世界の良心が東京オリンピックをボイコットするだろう」とも述べたこともある。
それが一転して「東京五輪が平和五輪になるよう積極的に支援する」というのである。この変わりようには驚かざるを得ない。
共に民主党が否定的発言を繰り返してきた当時と現在で、オリンピックを取り巻く環境には、世界的なコロナ禍以外は何ら変化はない。それなのに韓国の東京オリンピックに対する認識が180度変わったのは、これを北朝鮮との関係改善、バイデン氏と金正恩氏との会談の機会として利用しようとする政治的思惑が生じたためである。