韓国・ソウルにあるサムスン電子の本社ビル

 2020年秋、韓国の財閥で総帥の「代替わり」がさらに進むことになった。

 サムスングループの李健熙(イ・ゴンヒ=1942年生)会長が10月25日に死去、現代自動車グループでは病気療養中の父親に代わって長男が会長に昇格した。

 世襲や不透明な支配構造に対する批判も高まる中で、ピカピカの経歴の3代目、4代目会長が続々登場している。

「大韓商工会議所会長に意欲か?」

 2020年10月末、SKグループの崔泰源(チェ・テウォン=1960年生)会長の講演での発言が韓国の産業界で話題になった。

SKグループ会長が財界トップに意欲?

「社会が企業と企業人に対して求める新しい役割に対して先頭に立っていく」と語ったのだ。

 韓国紙デスクはこう話す。

「崔泰源会長は、大財閥の総帥が3代目、4代目に代替わりする中で年齢が最も上である自分の役割について考えているようだ。大韓商工会議所の次期会長にという声も多く、真剣に考えているのは間違いない」

 韓国の産業界では、全国経済人連合会(全経連)が朴槿恵(パク・クネ=1952年生)政権時代に起きた不正のパイプ役を果たしていたとの批判を受け、サムスンなどが一斉に脱会したままだ。

 代わって商工会議所が中心的な役割を果たしているが、来春の会長改選を前に崔泰源氏に就任を求める声が出ている。