米国時間10月8日夜に行われた副大統領候補によるテレビ討論会(写真:代表撮影/ロイター/アフロ)

歴史に残る副大統領候補のテレビ討論会

 来月3日の米大統領選に向け、副大統領候補の共和党マイク・ペンス副大統領(61)と民主党カマラ・ハリス上院議員(55)によるテレビ討論会が10月7日夜(日本時間8日午前)行われた。

 ドナルド・トランプ大統領(74)の新型コロナウイルス感染で2回目以降の大統領候補討論の開催が不透明(大統領は開催に意欲を見せているが)となる中、行われた副大統領候補の対決。

 討論会の主催団体がその後、トランプ氏のコロナ感染を踏まえて第2回の大統領候補同士の討論会(15日)をオンライン方式で行うと決定。トランプ氏はこれに反発したため、この日の副大統領候補同士の討論会は両陣営にとっては最後の直接対決になりそうだ。

 8日の副大統領候補同士の討論会ではコロナ、最高裁判事人事、温暖化、対中国、経済政策をめぐり激論が繰り広げられたが、両氏ともに特に具体的で、新たな政策を打ち上げたわけではない。

 何ともユーモラスだったのは、論戦中、ペンス氏の白髪頭にハエが止まって離れなかったこと。

テレビ討論中、ペンス副大統領の頭に止まって離れないハエ

 テレビ画面にもはっきりと見え、各テレビ局のコメンテイターは討論会後の「解説」の冒頭でまずそのハエのことを取り上げていた。

 政策論争では、弁舌爽やかなハリス氏が終始圧倒した。

 失言・暴言を繰り返してきたトランプ大統領の「負債」を抱えるペンス氏はコロナ対応でも「脱税疑惑」でも白人至上主義団体支持発言でも防戦に必死だった。

 発言時間をオーバーして司会者に何度となく注意されたが、効果的なジャブも出ずに終わってしまった。

 元々副大統領候補同士の論争は大統候補の言ってきた発言や政策を繰り返すだけで、あまりメディアは大々的には報道しない。

 1976年以降11回行なわれてきたがメディアも重きを置いてこなかった。だが、今年は違った。