(篠原 信:農業研究者)
「ミルクをほんの少し飲んだだけですぐ寝てしまう。すぐお腹が減って泣く。また少ししか飲まない。1時間おきに泣くから、こちらが睡眠がまったくとれず、疲労困憊」という相談が、子育て中の親御さんからあった。
これまでにも、授乳期の赤ちゃんを抱えている親御さん(特に母親)が、極端な睡眠不足で精神的にも肉体的にもボロボロになることを指摘してきた。
(参考記事)男親は知らない、乳児期の子育てはこんなに「過酷」
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/58559
不眠はもっとも辛い拷問の一つ。授乳期の親御さんは、昼も夜もない不眠を経験することになる。精神的にまともでいろ、というのが無理な話。
すぐお腹が空くのは「お腹がそんなに空いていないから」
赤ちゃんが少ししかミルクを飲まないという悩みは、ちょっとしたコツで解決することがある。赤ちゃんが健康であることが前提だが、授乳前に「少し焦らす」と、赤ちゃんがよくミルクを飲み、長く眠れるようになる。
親にとって初めての赤ちゃんだと、か弱き生命体を生き延びさせなければ、と懸命になる。泣いたらすぐにミルクを与えたくなるのも無理はない。
しかし泣き始めた段階では、赤ちゃんは実は半分眠っている状態。お腹もそこまで減っているわけではない。そこでミルクを与えられても、まどろみの中にいるから食欲がない。ほんの少しのミルクでお腹いっぱいになる。それでまた眠ってしまう。しかし少量しか飲んでいないから、大して時間が経たずにまたお腹が空く。けれどそこまで空腹じゃないからまた少ししか飲まず、お腹が膨れる。短い睡眠でまた泣く、の繰り返し。これでは親は眠る時間がなくなる。