韓国の表玄関ともいえる仁川国際空港を運営する公社が、1万人に及ぶ非正規職の全員を正規職に転換する方針を発表した。
政府方針に沿った措置だが、思わぬ反発が広がっている。
2017年5月12日、就任したばかりの文在寅(ムン・ジェイン=1953年生)大統領は仁川国際空港を訪問した。
大統領自ら非正規職ゼロを約束
非正規職職員などと懇談後、大統領はこう語った。
「過去10年間、韓国では非正規職が100万人増加した。任期中にこの問題を必ず解決する」
「私が先頭に立って1万人全員を正規職にする」
それから3年。仁川国際空港公社の社長は、2020年6月22日記者会見を開き、「非正規職ゼロ」を発表した。
経済格差解消は今の政府の最優先政策だ。非正規職の正規職転換は特に重点政策だ。
社長の発表は、「快挙」と受け止められてもおかしくはないが、予想外の反発が出ている。
6月22日の会見を終えた社長を仁川空港公社の労組メンバーが取り囲んで大きな声で抗議したのだ。