韓国のソウル近郊・京畿道富川市にあるインターネット通販大手「クーパン」の物流センター。ここで集団感染が起きた(5月27日、写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 新型コロナの感染者が急増して「自粛」一色だった3月、4月の韓国。日本のようにスーパーが混雑することも全くなかったのはどうしてか。

 ネット通販業者が急成長を続けていたからだ。消費生活を変えるとも言われた新興2社だが、倉庫で新型コロナの感染者が出てしまった。

 3月、4月のソウルの大型スーパーは、まさにガラガラだった。

 日本のニュースを見ると、在宅勤務や休校で「外出自粛」となり、家族全員が家にずっといることになり、食料品や日用品を買うためにスーパーが大混雑という。

 どうしてこうも違うのか。

外出自粛 スーパーもガラガラ

 暮らしているとすぐ分かる。筆者が住むマンションでも、同じフロアの住人の玄関前に置いてある宅配の箱が急に増えて大きくなった。

 ネット通販の利用が急増していたのだ。

 韓国はもともと、キャッシュレスの比率が高かった。ネット通販利用も日常化していたが、ここ数年、新興企業が急成長して、利便性を高めていた。

 そこに新型コロナの「巣ごもり消費」でさらに市場が拡大していた。

 ネット通販の牽引役となってきたのは、ここ5年ほどの間に設立されたばかりの2社だ。