シャネルの店舗を取り囲むようにできた行列(筆者撮影)

 マンション分譲に20万人が応募し、シャネル売り場に長蛇の列――。

 新型コロナウイルス感染症の世界的な流行を受けて、韓国の経済成長率や雇用、企業業績などへの影響が今後さらに本格化するとの見方が強い。

 そんな中で、過熱ともいえる個人の消費や投資があちこちで見られる。

「こりゃいったい何だ?」

 2020年5月13日午前、ソウル中心部のロッテ百貨店前。開店前だというのに、建物をぐるりと取り巻いて行列ができている。

ロッテ百貨店を取り巻く行列

 一緒にいた韓国人の会社員と「そういえば、昨日も行列があった・・・」と思い出した。

 この会社員が、スマホで検索してその理由を明らかにしてくれた。

「シャネルですよ。シャネル…近く値上げするんですね」

「シャネル?」。シャネルってあのブランド品のことなのか?

 ブランド品に関心がない筆者は気づかなかったが、ニュースではこの行列のことを盛んに取り上げていた。

 韓国メディアによると、5月7日前後に、14日からの値上げが明らかになった。「値上がり前に買わないと」とばかり、店に客が殺到したのだ。

 いったい、いくらくらいするのか。