韓国の株式市場は個人投資家の買いで新型コロナウイルス感染症の拡大に伴う暴落から息を吹き返している(写真は3月13日、写真:Lee Jae-Won/アフロ)

 新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行が、韓国の企業勢力図を大きく変えつつある。

 長年、財閥を中心とした製造業が圧倒的な存在感を見せてきたが、株式時価総額上位には、これら伝統型企業を押しのけて、ITやバイオなどハイテク関連企業が躍進している。

 韓国の総合株価指数は、2020年1月2日、2175で幕を開けた。

 ところが、新型コロナの大型集団感染が南東部の大邱(テグ)地域で発生し、経済への影響への懸念の声が高まり、3月19日には1457まで急落した。

総合株価指数は感染者減とともに回復

 その後、徹底したPCR検査と「社会的距離置き」の実践で、爆発的な感染拡大を抑え込んだ。

 5月になってソウルの梨泰院(イテウォン)にあるクラブ発のクラスターが発生したが、それでも1日の感染者数は10~20人程度で収まっている。

 こうしたコロナ対策の効果を証券市場も好感した。総合株価指数は、1900を超える水準まで回復した。

 だが、銘柄別にみると、大きな地殻変動が起きていることがはっきり分かる。

 5月18日現在の時価総額上企業は以下の通りだ。(単位ウォン、1円=11ウォン)

1 サムスン電子         291兆
2 SK ハイニックス       59兆
3 サムスンバイオロジクス  39兆
4 ネイバー         35兆
5 サムスン電子(優先株)  34兆
6 セルトリオン       29兆
7 LG化学           25兆
8 LG生活健康         22兆
9 サムスンSDI          22兆
10 現代自動車        20兆
11 カカオ          19兆