新型コロナウイルス感染症の世界的な大流行が、韓国の企業勢力図を大きく変えつつある。
長年、財閥を中心とした製造業が圧倒的な存在感を見せてきたが、株式時価総額上位には、これら伝統型企業を押しのけて、ITやバイオなどハイテク関連企業が躍進している。
韓国の総合株価指数は、2020年1月2日、2175で幕を開けた。
ところが、新型コロナの大型集団感染が南東部の大邱(テグ)地域で発生し、経済への影響への懸念の声が高まり、3月19日には1457まで急落した。
総合株価指数は感染者減とともに回復
その後、徹底したPCR検査と「社会的距離置き」の実践で、爆発的な感染拡大を抑え込んだ。
5月になってソウルの梨泰院(イテウォン)にあるクラブ発のクラスターが発生したが、それでも1日の感染者数は10~20人程度で収まっている。
こうしたコロナ対策の効果を証券市場も好感した。総合株価指数は、1900を超える水準まで回復した。
だが、銘柄別にみると、大きな地殻変動が起きていることがはっきり分かる。
5月18日現在の時価総額上企業は以下の通りだ。(単位ウォン、1円=11ウォン)
1 サムスン電子 291兆
2 SK ハイニックス 59兆
3 サムスンバイオロジクス 39兆
4 ネイバー 35兆
5 サムスン電子(優先株) 34兆
6 セルトリオン 29兆
7 LG化学 25兆
8 LG生活健康 22兆
9 サムスンSDI 22兆
10 現代自動車 20兆
11 カカオ 19兆