ますます激化する米中覇権争いで逃げ場を失った文在寅大統領

文在寅側近の反米急進派ナショナリスト

 ドナルド・トランプ米大統領の思い付き発言に韓国の駐米大使が一人舞い上がった。

 トランプ氏が5月30日、遊説に出かけた機中で記者団に語ったひと言――。

「現行のG7(先進7か国首脳会議)の枠組みは世界の状況を適切に反映しておらず、極めて時代遅れだ。ロシア、オーストラリア、インド、韓国を招待して、G10またはG11にしたい」

 この発言に飛びつき、舞い上がった韓国大使の名は李秀赫(イ・スヒョク)氏(71)。

 外交官でかっては北朝鮮非核化六者協議の首席代表をしたこともある与党「共に民主党」の重鎮。文在寅大統領の側近で外交ブレーンの一人だ。

 トランプ発言の4日後の6月3日、ワシントン駐在の韓国人特派員たちとのオンライン懇談会でこう言い放った。

「(トランプ大統領の発言には)新たな世界秩序を形成・管理していくにあたり、(韓国がG7に)参加できる招待を得たのと同じだ」

「(この発言は)世界秩序のパラダイムの変化を反映した面がある」

「今や韓国は世界秩序の変化をより積極的に主導し、その中で国益を戦略的に図るほど十分に成長した」

「(米中確執の中で)韓国は(米国と中国とどちらかの)選択を強いられている国ではなく、選択できる国だという自負心を持っている」

http://www.chosunonline.com/site/data/html_dir/2020/06/05/2020060580002.html