ワーグナーの「神々の黄昏」を描いたマックス・ブルッカ―の作品

残りの任期は「神々の黄昏」

「米国は今や、リヒャルト・ワーグナーの楽劇『Gotterdammerung』(神々の黄昏)』の中にいる」

 そう言い切るのはブルッキングス研究所主任研究員のトーマス・ライト博士だ。欧州問題を中心に米外交、国内政治全般について鋭い論評を書いている中道派の論客だ。

 そのココロは・・・。

「米国社会と世界を混乱に陥れてきたドナルド・トランプ時代は最終章を迎えている。過去3年半、我々が体験してきた危機の時代はいよいよ終焉を迎えようとしている。トランプ氏の残りの任期231日は嵐、嵐、嵐だ」

https://www.theatlantic.com/ideas/archive/2020/06/weve-now-entered-the-final-phase-of-the-trump-era/612508/

「神々の黄昏」は、ワーグナーの4部作「ニーベルングの指輪」(Der Ring des Nibelungen)の4作目。ワーグナーが北欧神話を基に独自の世界観を描いた。

 夫を殺し、指輪を奪おうとする「殺人犯」ハーゲンから逃れて愛馬に乗って夫ジークフリートへの愛を歌いながら炎の中に飛び込む妻ブリュンヒルデ。

 指輪の呪いが解かれ、神々は炎に包まれる。ハーゲンは指輪を追って水中に飛び込み、溺れ死ぬ。

 指輪はライン川の乙女たちの元へと戻り、再び平和が戻ってくる。

 ハーゲンはトランプ氏。指輪は「米国」そのものか、「米国の建国の精神」か。ライト氏は我々に「それは自分で考えろ」と言っているのだろう。