油価低迷で存亡の危機に立たされているロシアのプーチン政権

プロローグ
世界最大のガス会社と石油会社赤字転落

 油価が低迷し、ロシアのV.プーチン大統領(67歳)の支持率が低下しています。

 日本の安倍晋三首相は毎日新聞では最新の支持率27%、朝日新聞では29%となり、初めて30%を切りました。

 ロシアの5月度世論調査ではプーチン大統領の支持率は59%となり、60%を割りました。

 一方、米ブルームバーグ通信は5月22日、プーチン大統領の支持率27%と報じ、駐米ロシア大使館は同通信社に対し“誤報である”と抗議したよしです。

 真相は藪の中ですが、プーチン大統領も安倍首相も支持率が低下していることだけは確かと思われます。

 ロシアの世界最大のガス会社、ガスプロムの2020年第1四半期は設立以来初の赤字となり、赤字額は3602億ルーブル(約50億ドル)と発表されました。

 ガスプロム同様、ロシアの世界最大の石油会社、ロスネフチも2020年第1四半期は赤字転落です。

 油価下落によりガス価格も下落し、石油・ガス税収に依存するロシア経済は今年、正念場を迎えることになるでしょう。

 ガスプロムもロスネフチも赤字になると、今年の露国庫財政は大幅赤字転落必至です。

 2020年4月1日現在のロシア国民福祉基金の資産残高は1654億ドルありますが、この資産を国庫の赤字補填に充当すれば基金残高は数年で枯渇するでしょう。