中国初の国産空母「山東」(中国軍のサイトより)

 4月7日についに安倍晋三首相により「緊急事態宣言」が発せられた。

 新型コロナウイルスによる感染症拡大は、東京都など都市圏で爆発的拡大の兆しを見せている。4月9日現在、世界では感染者は150万人を超え、死者も8.8万人を超えた。

 中国当局は、感染症は収束に向かっているとし、武漢市の封鎖も解除された。しかし本当に感染症は収束しているのだろうか?

 他方で中国は、他国に感染症発生の責任転嫁をするプロパガンダを展開し、西太平洋での軍事活動を活発化させている。その真意はどこにあるのだろうか?

中国の疑わしい収束宣言
政治・軍事への影響拡大

 中国では今年3月10日に習近平国家主席が武漢を訪問し、中国国内では新型コロナウイルスの感染は収束に向かっているとされ、1月23日から続いていた武漢市の都市封鎖も4月8日には解除された。

 しかし本当に中国国内で新型コロナウイルスの感染が収束に向かっているかには、大いに疑問がある。

 もともと初動段階で中国当局は、ヒトからヒトへの感染の可能性のある新型コロナウイルスの発生を隠蔽していた。

 昨年12月30日、グループチャットのWeChatを通じて感染症発生を警告した武漢市の李文亮医師は、今年1月3日に武漢市公安当局に呼び出され、口止めされたうえ訓戒処分を受けた。その後自ら感染し2月7日に死亡している。

 今年1月20日過ぎから武漢市の火葬場はフル稼働していたが、それでも遺体の処理が間に合わなかったとの火葬場関係者の証言もあり、実際の武漢の死者数は数万人、公表数の10倍以上に上る可能性は高い。

 中国のインターネットメディア『騰訊』は2月4日に、2月1日までの武漢市での新型肺炎による死者の累計数の真実の数字をうっかりアップしたが、1秒ですぐ切り替わった。

 しかし、画面はすぐネット民に「フォーカス」された。その数字によれば「真実の死亡数は2万4589人、感染確認者数は15万4023人」と伝えられている。

 このような映像はその後SNSなどに投稿されると、次々に削除されている。