実は、商品名がこうだとこれくらい売れる、といったデータも取得しているんですよ。しかし、悩みで分類していった時に、非常に強い法則性が見えます」
ピアラのAIは、おもに「ユーザーインサイト(悩み)」のほか、「商品特性」「広告媒体」「価格帯」「クリエイティブ要素」を学習している。同社はクライアントと契約したらまず「どんな悩みに対応できる商品なのか」を聞き出し、クリエイティブがなければ制作、あとはすべてピアラが実行する。基本的には、レポートの作成すらしない。
「広告代理業をはじめ、最も不毛だったのが時間をかけてレポートを作成することだったんです。一方、我々のシステムは画面を見ていただけば売り上げの推移がわかります。そんな状況のなか、細かい数字や情報を報告して、この数字はこういう意味で・・・などとご説明するより、KPI保証なのであれば、結果を出しているかどうかを見ていただくのが一番いいかな、と」
成果報酬型だからこそ、仕事を請ける側がイニシアティブをとれる、というわけだ。その結果、何が起るか。
「例えば『ブライトエイジ』という、しみ・しわ美容液を扱わせていただいた時は、1年間の売上げを3カ月程度で達成しました。特に“商品自体は素晴らしいのに、なかなか知ってもらえない、試してもらえない”といった場合に非常に大きな成果が出せると思いますし、私たちも、自分たちが得意な領域にある優れた商品を求めています」
突然だが、お豆腐を全国で発売する相模屋食料という企業がある。同社は今まで製造工程の一部を人の手に頼らざるを得なかった木綿豆腐づくりの全自動化に成功。するとこれにより、手を使わないからこそ消費期限が伸び、消費期限が延びると一気に大量に搬送できるようになり、同社製品を扱う小売店も増え、商品が売れると原料の大豆を安く仕入れられ・・・と、1つの進化が芋づる式にいくつもの進化をもたらした。ピアラも、データの蓄積とAIによる分析が、マーケティングの自動化、KPI保証、レポートの必要すらない報告の単純化=効率化、といった様々な進歩をもたらした。
どこを変えれば、芋づる式に進化していくか、多くの業界には、その“急所”のようなものがあるのだろう。マーケティング業界は100年近く結果を保証してこなかった。しかしピアラの登場により、これが劇的な進化を見せた、というわけだ。
時代は「サブスク」&「自動化」
飛鳥氏は、新卒で1999年にトリンプ・インターナショナル・ジャパンへ入社、宣伝部を立ち上げ、さらには通販事業も新規で立ち上げ1年で黒字化。ここから18年の長きにわたり通販システムの構築、流通、販促、受発注、リピートの促進等を行ってきた。いわばネット通販事業の“生き字引”だ。
その後「テクノロジーでマーケティングを変えたい」と考え独立、起業後ずっと、オートメーション化ができないかを考えてきたという。そんな飛鳥社長いわく、ピアラのサービスは「サブスク化」「クラウド化」の流れの一部らしい。