しかしインドネシア医療関係者はこうした感染者数を低く抑える手法に関しては「少なくともインドネシアではPCR検査して陽性と判定された患者は全て感染者数として計算している」と指摘して、中国が取っているような「数字の操作」はない、としている。

 また、症状が酷似しているインフルエンザや結核などの肺病と明確な区別が難しい医療現場もあることから、実際はコロナウイルスに感染していても誤診され、その後に死亡。死後の検査ではじめて感染が判明し、その時点で感染死者数に計上されているケースが、高い死亡率の一因ではないかと指摘する声もある。

 この指摘に対してインドネシア人医療関係者は「その可能性は100%否定できないがほとんどないと思う」という。

 実は肝心のコロナウイルス感染の検査だが、インドネシアではほとんど実施されていないことが英オックスフォード大学や英のNGO機関による調査で明らかになっている。

 これは23日付けのフィリピンの英字紙「ビジネス・ワールド」が伝えたものだ。20日の時点で実施された、感染国25カ国を対象にした人口100万に当たりの検査実施数の調査の結果、インドネシアは最も低い7.4人だった。次がフィリピンが11.6人だから、圧倒的最下位と言っていい。

 逆にトップはアラブ首長国連邦(UAE)の1万2783人、次いでノルウェーの8025人、韓国の6148人となっている。日本は117.8人だ。

 繰り返すがこの数字はあくまで人口100万に当たりで感染の有無を調べる検査数を示したものだ。インドネシアの「7.4人」という数字は、人口が多いことも関係しているとはいえ、いかにインドネシアでの検査態勢が不十分で、検査を受ける患者の数が限定されているかという現状を示している。

 逆に言えば、今後検査数が増えれば感染者数もそれに伴って増加する可能性が極めて高く、そして感染者数が急激に増えれば、相対的に死亡率は下がることも予想されている。と同時にこの調査結果は、インドネシアのコロナウイルス感染はまだ初期段階に留まっているということを示しているとも言えるだろう。

持病のある高齢者の感染が高い死亡率の原因なのか

 インドネシア保健省など医療当局は、3月2日に発覚した最初の感染者(女性2人)に関して居住地、感染可能場所、可能性のある感染源、職業、年齢などを公表した。そのため、ネット上では2人の実名、写真まで晒される事態になった。

 この際の政府発表で、マレーシア在住の日本人女性が感染源の可能性があるとされ、日本人に注目と関心が高まる結果となったことはすでに報じた通りだ。

(参考記事)感染源は日本人?初の感染者に大揺れのインドネシア
https://jbpress.ismedia.jp/articles/-/59571