(花園 祐:中国在住ジャーナリスト)
中国で発生した新型コロナウイルス感染症 (COVID-19)の猛威が世界中へと広がり、医療や市民生活だけでなくあらゆる経済活動に影響を及ぼしています。
日経平均もすでに2万円の大台を割っており、その急激な落ち込みぶりから、市場では2008年のリーマンショック(世界金融危機)の再来ではないかと危ぶむ声も出ています。
結論から言えば、筆者は新型コロナウイルス感染症による経済打撃は、リーマンショック以上の規模になるのではないかと見ています。最大の理由は、リーマンショックが「川上から川下へ」という流れだったのに対し、今回のコロナショックは、逆に「川下から川上へ」と影響が広がっているからです。
以下では、新型コロナウイルス感染拡大が世界経済にどのような形で影響を及ぼすのかを考えてみたいと思います(あくまで筆者個人の見解であることをご了承ください)。
リーマンショックとは逆の流れ
リーマンショックの発端は、米国のサブプライム住宅ローンの不良債権化でした。これらの信用不安に伴う金融機関の破綻や、公的資金注入によって、世界中で株価が大きく落ち込み、消費や生産活動の低迷を招いたことで、世界的な大不況を巻き起こしました。