世界最大のモバイル関連見本市「モバイル・ワールド・コングレス(MWC)」を主催する通信関連の業界団体GSMAは2月12日、2月下旬にスペインのバルセロナで開催を予定していた同イベントを中止すると明らかにした。
エリクソン、アマゾン、ソニーなど相次ぎ出展見合わせ
GSMAのジョン・ホフマン最高責任者は声明で、「新型コロナウイルスの感染拡大や渡航などに対する世界的な懸念から、開催が不可能になった」と述べた。開催地の自治体もGSMAの決定を理解してくれたとしている。
GSMAは世界1200社のモバイル関連企業を代表する業界団体。毎年この時期に開催する同イベントは今年、2月24~27日の日程で予定されていた。
ところが、スウェーデンの通信機器大手エリクソンが2月7日に出展の見送りを決めた。韓国LG電子や米エヌビディアも出展の取りやめを発表。2月9日には米アマゾン・ドット・コムが出展・参加を見合わせると報じられた。その後はソニー、米インテル、フィンランドのノキア、英ボーダフォン・グループ、英BTグループ、ドイツテレコムなどが相次いで出展の見送りを表明した。
安全対策打ち出すも、歯止めかからず
GSMAは、開催を前に何度も声明を出し、感染防止に向けた取り組みを公表した。たとえば2月9日には、湖北省からの渡航者のイベント参加を禁止とし、それ以外の中国の地域に滞在していた人には、イベント参加前の14日間、中国にいなかったことを証明するよう義務付けた。会場では体温測定を実施することも明らかにした。