ベテルギウス爆発、生態系への「光害」はあるのか?

農作物に昆虫、サンゴ、月光に左右される生物はどうなる

2020.02.14(Fri)漆原 次郎

農作物自体への影響の可能性は低そう

 光害の影響が大きいとされる農作物にイネがある。イネには、日の長さが短くなると花をつける性質があり、光を感じて穂が伸びる期間に一定以上の夜間照明を受けると出穂が遅れたり、収量が減ったりしてしまうことが知られている。

 ベテルギウス爆発の影響を考えるとき大切になるのは、「どの程度の照明」でイネに影響が生じるかだ。これまでの光害の研究から、出穂の遅延は5ルクス以上とされる。また収量の低下は2ルクス以上で現れ、20ルクスになると収量がなくなるという報告もある。

 これに対し、満月の光は約0.25ルクスであり、ベテルギウス爆発で生じる半月レベルの明るさとなるとその10分の1ほどでしかない。影響は無視できるということになろう。

 光害を受けやすい作物としては、イネの他にホウレンソウも知られている。ホウレンソウに光害の影響が出るのは5ルクス程度からとされている。よってイネと同様の考え方でよいだろう。

自然光や人工照明のおおまかな照度。ベテルギウスの爆発の照度は推定。その他は、J. Bennie, T. W. Davies, D. Cruse, and K. J. Gaston (2016) “Ecological effects of artificial light at night on wild plants”, Journal of Ecology, 104, 611-620.を参考にした。
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