朴範界(パク・ボムゲ)共に民主党議員は、自分のFacebookに「文大統領の個別観光提案に北朝鮮が応じる可能性が高い」という泰永鎬(テ・ヨンホ)元英国駐在北朝鮮公使の展望が掲載された記事を載せ、「それで自ら日系と称するハリス米大使の無礼が炸裂したのか?」というコメントを書き込んだ。つまり、日系人のハリス大使は南北関係の改善を好まない、という意味なのだろう。

 鄭在浩(チョン・ジェホ)共に民主党議員も、Facebookで「ハリス大使は1956年、日本で生まれた。母親が日本人だ。すなわち日系米国人だ」と強調している。

 いずれも、「ハリス大使は日本人とのハーフだから、日本政府の意を呈して文在寅政権を妨害しようとしているのだ」といったレベルの、根拠なき主張だ。

 だが問題なのは、国民の中にある反日感情を、ハリス大使や米国に対する批判に結びつけようとする点だろう。実際、政界のこのような雰囲気が、文在寅政権支持者たちの米国とハリス大使に対する反発心を強く刺激している。

大使館周辺で糾弾集会

 GSOMIAと在韓米軍の費用交渉をめぐって米韓の摩擦が激しくなった2019年10月には、青年団体会員の17人が「在韓米軍撤収」を主張し、ハリス大使の私邸に侵入する事件が起きている。12月には、「ハリス大使は、『文在寅大統領は従北左派に囲まれている』と発言した」というニュースが報じられた後、在韓米国大使館近くで、進歩団体による大使を糾弾する「ハリス斬首大会」が開催された。

 ハリス大使の今回の発言以来、文政権を支持する進歩系団体は連日のように反米集会を開催している。「朝鮮日報」によると、これらの団体は「21世紀の朝鮮総督、ハリー・ハリスを糾弾する」という声明文を出し、「(ハリスは)追放されたくなかったら、口をつぐんで過ごすのがいいだろう」などと叫びながら、ソウルの在韓米国大使館付近で毎日、朝と夕に反米集会を開催しているという。

 2015年3月、当時のマーク・リッパート元駐韓米国大使は、ソウル市内で白昼、左派団体の代表者が振り回した刃物で刺されるというテロに遭った。リパート大使に向かって刃物を振り回した人物は、「南北首脳会談を妨害する韓米軍事演習に反対する」と主張した。

 ハリス大使や米国に対する韓国民の反米感情をこれ以上刺激しないためにも、まずは、文在寅政権の関係者が感情を抑制する大人の対応を見せる必要があろう。