トヨタ自動車は4月18日から、東日本大震災の影響で操業を停止していた国内完成車工場すべてを再稼働させた。

 ただ、部品供給の状況を確認しながら生産を行うため、通常の5割程度の操業となる予定。1カ月以上停止していた設備が安全に作動するかどうかも含め、当面はトヨタとグループ各社、サプライヤーの手探り状態の生産が続きそうだ。

 トヨタは国内のグループの全17工場で車両生産を再開した。4月の稼働日は、18~19日、21~22日、25~27日の計7日間を予定。28日から5月9日までは大型連休をはさんで生産を休止する。1日当たり生産台数は6000台程度を見込む。

 大型連休後の稼働については、5月10日から6月3日まで週5日の稼働を予定。引き続き5割程度の操業水準で生産する。6月6日以降の車両生産については、取引先の状況を確認したうえで判断する。

 トヨタは震災の影響で調達が難航。東北で電装品や樹脂材料などの工場が被災し、当初、安定供給に支障をきたす部品は500品目程度にのぼっていたが、現在は150品目程度に減少。引き続き調達網の改善に努める。

 トヨタは3月28日、堤工場(豊田市)と子会社のトヨタ自動車九州の宮田工場(福岡県宮若市)を再稼働させたほか、11日にはセントラル自動車の相模原工場(神奈川県相模原市)の操業を再開した。

 今回、残りの14の完成車工場が一斉に再稼働、トヨタの車両生産再開に連動して、部品メーカー各社も段階的に稼働率を引き上げる。

 ただ、被災地に近い新工場の操業開始時期は慎重に判断する考え。トヨタは生産の遅れによる今月8日までの減産規模を26万台と試算。今後は、部品調達網の復旧と臨時出勤など増産対応が焦点になりそうだ。

トヨタと主な部品メーカーの国内工場の稼働状況

(菊地治滋、4月18日付、中部経済新聞より)