しかも重大なことは、これらの香港当局の弾圧が中国政府の承認と指導のもとに行われているということである。

 習近平中国共産党総書記・国家主席は、11月4日、林鄭月娥香港行政長官との会談で、市民の行動への弾圧を続けていることを「十分評価する」と述べるだけではなく、「暴力と混乱を阻止し、秩序を回復することが依然、香港の当面の最も重要な任務である」と強調して、暴力的弾圧をけしかけているのだ。

 香港警察による実弾発砲についても中国政府は、「警察側の強力な反撃にあうのは当然である」(外交部報道官)と全面的に擁護している。中国の政府系メディア「環球時報」(11月11日付)の社説は香港警察に対し、「何も恐れる必要はない」「国家の武装警察部隊と香港駐留部隊が、必要な時には、基本法の規定に基づきみなさんを直接増援できる」と述べ、武力弾圧を激励さえしている。

 これが香港を飲み込もうとしている中国共産党の姿なのである。

香港市民の民意を示した区議会議員選挙

 香港で昨年11月24日に行われた区議会議員選挙は、413万人の選挙登録者の内、294万人が投票した。投票率は71.23%で過去最高の投票率を約24%も上回るものだった。選挙結果は、親中の建制派が292議席から59議席に激減し、民主派が452議席中の388議席を獲得し、約8割の議席を占めるという衝撃的なものとなった。

 この選挙では、香港市民の中国に対する「ノー」の意思が明確に示された。立教大学の倉田徹教授は、12月3日付朝日新聞で、「かつて『金もうけにしか興味がない』と言われてきた香港人が、政治に目覚めたことを示す光景でした。香港の選挙を調査して20年になりますが、このようなことは初めてでした」と語っている。