Googleロゴ。2018年11月ロンドン本社。(写真:ロイター/アフロ)

 米メディアのジ・インフォメーションによると、2018年の初めに、米グーグルとその持ち株会社である米アルファベットの上級幹部が集まり、グーグルがクラウドサービス事業から撤退すべきかどうかを話し合ったという。

 だが、最終的には、2023年までにクラウド市場で2位以内に入るとの目標を定めた。一連の協議は数カ月に及んだという。

ピチャイCEOや共同創業者のペイジ氏などが協議

 協議に参加したのは、グーグルの最高経営責任者(CEO)のスンダー・ピチャイ氏(現在はアルファベットCEOを兼務)やアルファベットのルース・ポラット最高財務責任者(CFO)、共同創業者で、先ごろアルファベットのCEOを辞任したラリー・ペイジ氏など。

 果たしてグーグルはこの市場で勝利できるのか、そのためには誰をリーダーにしたらよいのか、販売やマーケティングといった分野で競争に勝つための方策は何か、といったことも話し合ったという。

シェア1割未満、アマゾンとMSに後れを取る

 米CNBCによると、グーグルの広報担当者はジ・インフォメーションの報道の内容を「不正確」だとして否定しているという。だが、クラウドサービス事業で同社が他のテクノロジー大手の後塵を拝しているのは事実。

 シンガポール本部の調査会社カナリスによると、昨年(2018年)の世界クラウドコンピューティングサービス(クラウド・インフラサービス)の市場で収益が多かった企業は、米アマゾン・ドット・コム、米マイクロソフト、グーグル、中国アリババ集団、米IBMの順。

 アマゾンの収益は254億ドルで、シェアは31.7%だった。マイクロソフトは135億ドルでシェアは16.8%。グーグルは68億ドルで、シェアは8.5%(ドイツ・スタティスタのインフォグラフィックス)。

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