米国の市場調査会社ガートナーがまとめた世界スマートフォン販売統計(小売りベース)によると、今年(2019年)7~9月の販売台数は3億8700万台となり、1年前の同じ時期から0.4%減少した。
ファーウェイ、唯一の2桁増
ユーザーは低価格端末からより価格の高い端末に移行しつつあるという。ただし、高価格帯端末を敬遠し、より買い得感のある中価格帯端末を選ぶ傾向にあるとガートナーは分析している。また、5G通信サービスの本格展開を前に、買い控えが起きているという。
こうした中、韓国サムスン電子や中国ファーウェイ(華為技術)、中国シャオミ(小米科技)、中国オッポ(広東欧珀移動通信)が低・中価格帯の端末に力を入れている。その製品戦略が奏功し、サムスン、ファーウェイ、オッポは台数を伸ばした。一方で米アップルは2桁減少した。
今年7~9月のメーカー別販売台数ランキングは上位から、サムスン、ファーウェイ、アップル、シャオミ、オッポの順。
前述した通り、この中で1年前から販売台数が伸びたのはサムスンとファーウェイ、オッポの3社のみ。
ただ、サムスンが前年同期比7.8%増、オッポが同0.9%増だったのに対し、ファーウェイは同26%増と大幅に伸びた。この期間のファーウェイの販売台数は6580万台となり、首位サムスンとの差を縮めた。
中国人の愛国心で販売支援
ファーウェイを巡っては、今年5月に米商務省が安全保障上の懸念を理由に米企業が政府の許可なく電子部品などを同社に販売することを禁じた。
ただ、商務省は一部の取り引きを例外的に認める猶予期間を設けており、今年11月18日には2回目の猶予延長を発表した。