米国の市場調査会社ガートナーがまとめた世界スマートフォン販売統計(小売りベース)によると、今年(2019年)4~6月の販売台数は3億6800万台となり、1年前の同じ時期から1.7%減少した。
高価格帯端末への需要が減速しており、その度合いは中価格帯端末よりも大きいという。こうした中、メーカー各社は、複数のレンズを備えるカメラやベゼルのないディスプレー、大容量バッテリーといった、従来は旗艦モデルに搭載していた機能をより低価格のモデルに搭載し、買い替え需要の喚起を図っているという。
サムスンとファーウェイで世界の3分の1を占める
4~6月期のメーカー別販売台数は上位から、韓国サムスン電子、中国ファーウェイ(華為技術)、米アップル、中国シャオミ(小米科技)、中国オッポ(広東欧珀移動通信)の順。
これら5社の中で、顕著な伸びが見られたのはファーウェイとサムスンのみで、それぞれ1年前から16.5%と3.8%増加した。
ファーウェイの販売台数は約5800万台、サムスンは約7500万台。この上位2社の販売台数を合わせると、世界スマートフォン販売の3分の1以上を占める。
ファーウェイ、中国で31%増
このうちファーウェイについては、今年5月に米商務省が安全保障上の懸念を理由に米企業が政府の許可なく電子部品などを同社に販売することを禁じると発表した。これにより同社のスマートフォン事業に対する不安が広がり、海外販売が低迷した。