EU企業の5Gコスト、ファーウェイとZTE排除で6.7兆円増に

中国の通信機器大手、華為技術(ファーウェイ)のロゴ、仏パリのイベントで(2019年5月16日撮影、資料写真)。(c)ALAIN JOCARD / AFP 〔AFPBB News

 トランプ米政権の中国ファーウェイ(華為技術)に対する禁輸措置を受け、中国で同社製スマートフォンの人気が高まっていると米ウォール・ストリート・ジャーナルが報じている。

国内のシェアが過去最大の38%に

 シンガポールに本部を置く市場調査会社カナリスによると今年4~6月(2019年)のファーウェイの中国国内スマートフォン出荷台数は、前年同期比31%増の3730万台となり、2位以降のメーカーを大きく引き離した。そのシェアは過去最大の38%。一方で他のメーカーは軒並み出荷台数を減らした。

 今年5月、米商務省は安全保障上の懸念を理由に米企業が政府の許可なく電子部品などをファーウェイに販売することを禁じると発表した。これによりファーウェイのスマートフォン事業に対する懸念が広がり、同社の海外販売は低迷した。

海外で軒並み減少も国内ではブームに

 欧州、中東、東南アジアといった主要な市場の出荷台数が減少したほか、アラブ首長国連邦と英国では前の四半期から約80%減と、大幅に落ち込んだ。

 しかし、中国国内販売の活況がそれを補っており、米国の禁輸措置の影響はそれほど大きなものにはなっていない。その理由は中国人の愛国心だとウォール・ストリート・ジャーナルは伝えている。ここ数カ月、多くの人がソーシャルメディアに米国に対する怒りをぶちまける投稿をし、同時にファーウェイ製品を買っている。中国人の米国に対する反発がファーウェイ人気に火を付けた格好だという。

 米アップルのiPhoneからファーウェイ端末に乗り換えた従業員に500人民元(約7500円)の報奨金を出したり、ファーウェイ製端末を利用している従業員に200人民元(約3000円)を与えたりする企業が現れるなど、支援運動のようなものも広がっているという。

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