米国の市場調査会社ガートナーがこのほど公表した世界の情報機器市場に関するレポートによると、パソコン、タブレット端末、携帯電話を合わせた今年(2019年)の出荷台数は21億4850万台となり、昨年実績から3.3%減少する見通しだ。
携帯電話が大きく落ち込む
このうちの8割を占める携帯電話は同3.8%減少。落ち込みが最も激しいという。今の携帯電話の市場規模は年間出荷台数ベースで約17億台だが、これは2015年に記録した19億台から10%減少している。
今後市場投入する携帯電話で新たな実用性や利用経験などを十分に提供できなければ、利用者は購入を控え、買い替えサイクルが長期化するとガートナーは指摘する。
携帯電話市場における買い替えサイクルの長期化は2018年に始まった。今年も年間を通してその傾向が続くという。また、今年のスマートフォン年間販売台数は前年比2.5%減と、過去最大の落ち込みになると同社は見ている。
メーカーの頼みの綱は「5G」
こうした状況に対処するため、スマートフォンメーカー各種は高速大容量の5G(第5世代)移動通信に対応する端末に力を入れている。すでに数社のメーカーが対応端末を市場投入しているが、2020年にかけて各社はより安価な製品を市場投入し、需要を喚起したい考え。