ベルリンで開催されたIFA家電フェアに展示された、サムスンの5Gスマートフォン(写真:新華社/アフロ)

 米調査会社のIDCが9月9日に公表したスマートフォン市場レポートによると、市場は2019年の後半から2020年にかけて回復する兆しだという。

2020年は1.6%増に

 2019年下半期の出荷台数は前年同期比で0.4%減と、ほぼ横ばいで推移する見通し。年間では前年比2.2%減となり、世界出荷台数は3年連続の前年割れを記録する見通しだという(ドイツ・スタティスタのインフォグラフィックス)。

 しかし、2020年は同1.6%増となり、ようやくプラスに転じると同社は予測している。

 現在の市場は米中貿易摩擦の影響で先行きが不透明な状態。メーカーは、製品計画が通常時よりも難しい状況に直面している。また消費者の買い替えサイクルは依然として長期化の状態が続いている。

 しかし今後、メーカーは(1)積極的な販売促進を展開し、(2)流通在庫を減らすために特売することが予想されるという。その後は(3)次世代技術搭載機の宣伝を大規模に展開していく。これらによって市場は回復に向かうとIDCは見ている。

5G、しばらく導入期が続く

 とりわけ(3)の次世代技術については、高速大容量の5G(第5世代)移動通信が一筋の望みだという。ただ、5Gの商用サービスは一部の地域で始まったばかりで、2019年は導入期の初めという段階。