ソウル市にある現代自動車の本社(写真:picture alliance/アフロ)

「現代自動車はこの先どうなるのか?」

 2019年11月26日、この日にあった2つの発表を聞いた韓国紙デスクが心配そうにつぶやいた。

 一時の勢いがなくなってきたとはいえ、韓国を代表する看板企業だけに最近、話題は多い。だが、激戦のグローバル自動車市場で勝ち残れるのか?

 自信をもって「YES」という答えもなかなか返ってこない。

 この日、韓国と東南アジア諸国連合(ASEAN)の特別首脳会議のために釜山を訪れていたインドネシアのジョコ大統領は、車で1時間ほどの現代自動車工場を訪問した。

 案内をした鄭義宣(チョン・ウィソン=1970年生)総括首席副会長とはすっかり顔なじみだ。というのも、自動車工場を誘致するために何度も面談していたからだ。

ジョコ大統領が訪問

 この日、現代自動車はインドネシアに自動車工場を建設する投資協約に調印した。

 ジャカルタから40キロほどの場所に年内にも着工し、2021年から年産15万台規模で小型SUVなどの生産を始める。2030年までの総投資額は15億5000万ドルに達するという。

 インドネシアも他の東南アジア市場と同じく日本車の牙城だ。韓国紙によると日本車のシェアは90%を軽く超えている。

 ジョコ大統領もこうした点を念頭に「現代自動車の進出で、インドネシアの消費者は日本車以外の選択肢を得ることになる」と歓迎してみせた。