アシアナ航空の旅客機(写真:YONHAP NEWS/アフロ)

 韓国第2位の航空会社であるアシアナ航空の売却先候補が決まった。

 建設大手のHDC現代産業開発などの企業連合が総額2兆4000億ウォン(1円=11ウォン)以上の金額を提示し、優先交渉権者になった。

 経営不振に陥っていたアシアナ航空が新しいグループ入りして再浮上できるのか。先行きには多くの難題が待ち受けている。

 アシアナ航空の大株主である錦湖(クムホ)産業は2019年11月12日、理事会(取締役会に相当)を開き、アシアナ航空の売却に向けた優先交渉権者としてHDC現代産業開発などの企業連合を選定した。

 アシアナ航空の子会社であるエアソウル、エア釜山など6社を合わせた一括売却となる。

 アシアナ航空がどうして身売りすることになったのか?

1988年、ソウル五輪直後に発足

 簡単に歴史を振り返ってみる。

 アシアナ航空は、ソウル五輪直後の1988年12月に、韓国第2の民間航空会社として誕生した。国内路線でスタートし、1990年に金浦(キンポ)⇔成田便を皮切りに国際路線にも就航した。

 現在は、86機を保有し、世界21か国に71の国際線を就航させている。

 母体企業は韓国の財閥ではさほど多くない全羅(チョルラ)南道に基盤を多く錦湖(クムホ)グループ(今の錦湖アシアナグループ)だ。

 創業者は、日本の植民地支配が終わるや米フォード車2台を確保してタクシー事業に乗り出す。