政府も、結婚相手紹介事業に乗り出しはじめ、例えば、各都道府県が手掛けている結婚相手紹介事業に交付金を出すなどしていますが、お世話焼きが激減している中、かつての仲介機能を役所や民間企業が代替するだけでは、十分な対策とは言えません。
もちろん、こうした地道な努力も必要ですが、私は現在の少子化の急ピッチな進展を見ていると、もっと思い切って大胆な手を打たなくてはならない時期に来ていると思うのです。
では、どうすればよいのか? はっきり言えば、もう「金銭的インセンティブ」しかないと思うのです。
「理想の子どもの数」と実際の「出生率」の差はなぜ生じる?
結婚したらどれくらい子どもが欲しいかという、理想の子どもの数を夫婦に訪ねてみると、年々その数は減少傾向にあるものの、2002年の調査でも2.56人、2015年でも2.32人となっています。要するに平均値でも2人以上は欲しいと考えているわけです。ところが実際の出生率は1.42になっている。この差はどんな原因から生じているのでしょうか。
拡大画像表示
実はその調査もあります。聞いてみると、子どもを持たない理由の中で圧倒的に多いのは、「費用」の問題なのです。「子育てや教育にお金がかかりすぎるから」子どもを持たないというのです。であるならば、その費用負担を軽くしてあげれば、子どもを持つ夫婦が増え、すでに子どもを持っている夫婦もさらに多くの子どもを持つようになる可能性は極めて高いのです。
拡大画像表示
もちろん安倍政権も「教育無償化」と言ってそこにサポートする姿勢を見せています。しかし、現在の危機的状況を鑑みれば、これは手ぬるいと言わざるを得ません。もっと直接的に、子どもを生んだ世帯にドーンとお金を支給すべきだと思うのです。自治体によっては子どもが生まれたらその親に一時金を配っていますが、まずはこれをさらに思い切って出すのです。