ヌタウナギからサメへ、太古の海が育んだ魚類の進化

生物進化を食べる(第5話)魚類篇

2019.08.30(Fri)大平 万里

 さらなる複雑な動きを獲得するには、筋肉の支点・力点を支持する強固な構造が必要である。それには軟骨を硬化させることが有効であったのだろう。

 こうして、進化してきたのが、硬骨魚である。俊敏さを獲得した硬骨魚は、私たちが水中で触ろうとすればサッと逃げられ、素手で捕まえるのはなかなか難しい。

肺を持つ魚は、私たちの直接の祖先

 硬骨魚の祖先は、なんとサメより少し早い古生代シルル紀(約4億2000万年前)にはすでに出現していたようだ。そして、やがて「条鰭類(じょうきるい)」と「肉鰭類(にくきるい)」の2系統に大きく分かれることになる。

 簡単にいうと、日常で目にする魚の大部分は条鰭類である。一方、胸びれの根元に骨と筋肉があるのが肉鰭類で、シーラカンスや肺魚などがいる。

肉鰭類のシーラカンス(上)と肺魚(下)。
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 先に、硬骨魚の大きな特徴として「浮き袋」を持っていることを挙げた。しかし、これは条鰭類での特徴であり、肉鰭類のハイギョでは浮き袋ではなく肺を持っている。となると、浮き袋から肺が進化してきたように予想しがちであるが、順番は逆である。

 じつは、硬骨魚の祖先はすでに肺に似た器官を持っていたらしい。そして、その肺が変化して条鰭類の浮き袋になったと現在は考えられているのだ。つまり、魚の浮き袋の原型は肺だったのである。

 そして、一部の肉鰭類は肺が浮き袋にならずに肺のまま進化して、約3億7500万年前のデボン紀後期には陸上に進出して、両生類になってゆく。つまり、肉鰭類は私たちの直接の祖先である。

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