つまり、これらの事実から北朝鮮の「瀬取り」を含む違法な海上活動に対する航空機・艦艇による警戒監視活動は、国連軍としての枠組みにおいて行われていることが明らかだ。

 また、この際、沖縄で大きな争点となっている普天間飛行場をはじめとする在沖縄米軍基地は、朝鮮半島有事に際し、国連軍の使用に供される極めて重要な役割を果たす基地であることにも関心が払われなければならない。

見放され、置き去りにされる列外の韓国

 しかし、驚いたことに、北朝鮮から核ミサイルを含む軍事的脅威を受けているはずの韓国は、北朝鮮の「瀬取り」に対する警戒監視活動に参加していないと疑われている。

 前述の通り、日本、米国、英国、カナダ、フランス、オーストラリア、ニュージーランドの7か国が警戒監視活動に参加している。

 しかし、外務省は「韓国は参加していますか?」とのVOA(ボイス・オブ・アメリカ)の質問に対して「監視活動のために航空機や船を派遣した記録はない」と答えている(2019年6月6日放送)。

 外務省のこの見解は、日本単独の情報に基づくものではなく、警戒監視活動に参加している関係各国からの情報を集約しての発言とみて間違いない。

 一方、韓国政府関係者はこの日、VOAの報道と日本外務省の言及に対し、「韓国政府の立場とは合わない内容」とし、「私たちは、通常(対北朝鮮不法積み替え監視)作戦をしている」と反論して見せた。

 2018年12月に韓国駆逐艦による海自「P-1」哨戒機への火器管制レーダー照射問題が発生して以降、日韓関係は冷え込んでいる。

 日本は韓国に再発防止を求めているが、韓国側は事実を認めず、逆に海自哨戒機の通常の活動を「低空威嚇飛行」と非難し、「再び繰り返す場合、韓国の対応行動規則にのっとって強力に対応する」などと言い募っている。

 このため、防衛省はこれ以上実務者協議を継続しても真実の究明に至らないと考えられることから、本事案に関する協議を韓国側と続けていくことはもはや困難であると判断した。