こんにちは、人事戦略コンサルタントの松本利明です。PwC、マーサー、アクセンチュアなどの外資系大手のコンサルティング会社などで24年以上、人事と働き方の改革を行ってくる中で「おやっ!?」と思えることが実は多く発生してきました。
実は、世間で言われる「セオリー」の9割が間違っているのです。思ったような効果が出ないのは、計算ミスより計算式そのものが間違っているのです。うすうす、あなたも気づいているのではないでしょうか?
『「いつでも転職できる」を武器にする』(KADOKAWA)をGW初日に上梓したのですが、「転職エージェントとの付き合い方」についてあまり多くの相談のメールをいただいたので今回の記事で解説します。
一変した「5月病」の中身
例年、GWを終わったこのタイミングから転職を考えはじめる人が増えます。4月に変わった職場や上司・同僚の実態が見え、GWの連休中にしっかり自分を見つめなおす時間を持てるからです。
今のご時世、5月病の意味合いは変わりました。現代の5月病は、「会社をとっとと見切る」といった症状です。今の人は仕事に憂鬱になるくらいなら、さっさと転職先を探してしまうのです。4月に入社した新入社員や若手社員はそもそも一つの会社が一生自分を面倒みてくれることはないと本能的に感づいています。
彼らの視線は新鮮です。長くいると習慣になって気が付きにくくなるような、おかしな社風も一瞬で嗅ぎ取り、「馴染めない」と見れば、さっさと見切りをつけるのです。毎年4月になると、大手転職エージェントのサイトに、その年の新入社員が情報収集目的も含めて連日、数千人もの登録が押し寄せるのもそのためです。
5月に転職を考え出すのは若手だけとは限りません。経験を積んだビジネスパーソンも、5月から転職するのが一番損しないからです。なぜなら、前期の成果が反映された夏のボーナスを確実に貰い、辞めると決めた組織に長居せず退職するには5月から転職先を探すのが一番合理的だからです。
また転職に合わせて引っ越しが必要になるようであれば、学校に通る子どもがいる人は、転校のタイミングにも気を配らなければなりません。その場合、子どもの夏休み開けとなる9月1日から次の会社へ、という流れがスムースです。逆算すれば5月くらいから転職を考えればそのタイミングに間に合います。それにその時期になると、3月に高騰した家賃も手頃な価格帯に落ち着いてきます。
そこで、いざ転職をしようと考えた時に頼るのが先ほどの「転職エージェント」。転職の情報を取ったり、コーディネートしたりしてくれる人たちです。外からどんどん声がかかる人でない限り、転職しようと思った人なら、程度の差はあれ、転職エージェントのお世話になるのが現実的でしょう。ここに罠があります。