延期、再交渉、再度の国民投票、それとも・・・。
ブレグジットまでおよそ1か月。「合意なき離脱」への懸念高まるなか、テリーザ・メイ首相が、26日、議会で初めて「延期」の可能性に言及した。
まず、離脱協定案の新たな採決を3月12日までに行い、否決された場合、13日に「合意なき離脱」の是非を採決、議会が「回避」を望めば14日に「短期間に限定」した「延期」について採決、その「短期間」の期限は6月末にするというものである。
20日には「離脱」方針を批判し、党の分裂もあらわに保守党から3人の議員が離党。
25日には、EUのドナルド・トゥスク大統領が「延期が合理的」との考えを表明したものの、メイ首相はあくまでも予定通り離脱を目指す意思を示していた。
様々な報道からも、社会の分断が見て取れる。
相手が残留派か離脱派かによって距離を考えながら接していると話す市民がいる。
移民との仕事の競合への不満や、エスタブリッシュメントへの不信を語り、離脱を強く支持する者の姿勢は変わらない。
北アイルランドでは、離脱してアイルランド共和国との国境が「復活」すれば、北アイルランド紛争の「和平」に影響するのでは、と不安を隠せない住民の姿もある。
1970年代から90年代にかけ、頻繁にテロ、銃撃にさらされていた北アイルランド。
ステレオタイプな説明では、紛争は「Irish vs. British」「カトリックvs.プロテスタント」の構図となるが、カトリックがよく口にする「2級市民扱い」という表現が、市民レベルでの問題を如実に物語っている。
アイルランド島にある国境の問題「Irish Border Question」はいまや一番の焦点。